これまで、グリーグの作品を自分が聴いたりなんたりしながら思ったことなどを「随感随想」で書いて載せてきたんですが、少し考え直してみました。
このサイトで試したかったのは、音楽を聴くこと、奏でることを、ひとりの体験でもって書き上げることでした。音楽についての書きものは本でも雑誌でもウェブでもたくさんありますけど、音楽とその人とのその時その場所での出会いを書いた書きものはとても少ないように思って、それはおかしなことだと思ったので、たまたまグリーグを中心に扱ったウェブサイトが見当たらなくて残念だったので、グリーグの作品と出会って関わった自分の体験をひとつここで書いてみようとしたしだいでした。
でも、自分の体験だけ書いて載せる必要も、とくにないんです。というより、グリーグの曲に想いを寄せている方がその想いを書いてらっしゃる書きものに出会うほうが、自分の体験を書いていくよりうれしいですし、そうした書きものが、グリーグに関心ある方や音楽に関係ある方に読まれたらいいな、と思います。
実際、グリーグとか他の作曲家とか何かの楽曲とかをキーワードにウェブめぐりをしていると、そのページを作った方の想いが宿っているようなページに、ときどき出会いました。このサイトをどうするか考えていて、ふと、そうしたページへの中継地点になるよう作り直してみようか、と思いました。そこで、試し試しですが、そっちの方向をめざしてみることにします。
正直なところ、グリーグでなく他の作曲家の曲についてそういうページが多く、わたしもグリーグだけが好きなのではないので、グリーグ関連にかぎらずいろいろなサイトやページを取り上げてみたいとも思います。ただ、しばらくはグリーグ中心で取り込んでみます。
もうひとついうと、「随感随想」が実際の自分の気持ちにくらべてけっこう熱い書きっぷりになっていて、自分で異和感があります。書くにしてももっとすっきりと書けないか、と自分に対して思います。思いの丈をなるべくしっかり書き表して不足なく伝わるようにしたい、というのが強すぎたのかもしれません。
あらためて自分の実感に照らすと、わたしにとってグリーグ作品はそんなに濃くはありません。折々、自分の感情を曲にこちらから投げ込むように聴いたり弾いたりもしましたけど、逆をいえば、作品のほうから何かを押しつけてきたりはしなかった、だからそんな関わり方ができたんでしょう。自分のグリーグ作品体験をこれまで書きながらふり返ってきて、自分の体験としては濃いこともあったけれど、そのときもどのときも、グリーグの音楽はどこかわたしが知らない遠くからおだやかに届いてきていたようです。
わたしにとっては、わたしの体験が大切というより、そういう体験のときにどこかから届けられてきたグリーグの音楽が大切です。これまでそのことが書けてなかったような気がします。書こうと努カして書けることがらではなかったのかもしれませんが。
「随感随想」はしばらく休みます。この自由帳で、あまりぎっちりと書き込まずに、すんなりと何か書けていければ、くらいに思っています。
・・と思いつつ、またも長い書き込みでした。。。
これから、グリーグ・ページを見つけにネット上をさすらい歩きます。ゆっくり時間をかけるつもりです。どのページを取り上げるかは自分自身で決めますので、グリーグのポータルサイトとしてはここは役立たないと思いますが、ご了承ください。では。
2002年6月15日 グリーグの誕生日に