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オカリナ・ノート 2015.4.27 ネットで出会ったオカリナのための作品


 オカリナで吹いている曲(1)で地元福岡の民謡「西浦の子守唄」を紹介した。民謡もいろいろ勉強している途中だけれど、今度は別の角度で曲を紹介したい。オカリナのためのオリジナル作品である。
 
 オカリナを再開したときに、オカリナのために作られた楽曲というものがないか、楽譜が入手できないか、調べたことがある。オカリナの演奏家の方々がいろいろなオリジナル曲を持っておられるのは知っているのだが、それらは御自身が演奏されるために作られた作品なのだなあという印象がどうも強くある。たとえば楽譜が売られていなかったり、出版されていても楽譜が採譜だったりすると、やはりそういう印象が拭えない。それはそれとして聴いて「耳コピー」して楽しんだりすることもできるのだけれど、自分自身が多少作曲をしていることもあり、オカリナ(を演奏して楽しむ人たち)のために作られた作品というものがないのだろうか…と、ネットで検索を掛けてみたのだった。
 オカリナは1860年代に登場した楽器でまだ歴史が短いためか、それとも「楽器」としての認知度が浅いのか、いわゆるプロの(そしてメジャーな)作曲家がオカリナのために作った作品というものは、ほとんど見かけない。作品例がないわけではないのだけれど、前衛的な作風だったり(それはそれでよいと思う)、楽譜が未出版だったり、大編成の作品の中でちょっと登場するだけだったり、個人で楽しむにはちょっとハードルが高いものが正直多い。
 いっぽうで、ネット時代のいいところで、プロ・アマチュアの作曲家の方々や、個人的にサイドワークとして、あるいは趣味で作曲を嗜んでおられる方々が御自身の作品をネット上に掲載しておられて、楽譜を入手することができる。探してみるとオカリナのために作られた作品もいくらか見つかる。今回はそうしたオカリナのための作品のなかから、日本の方の作品で、自分が個人的にとても気に入っている作品を、勝手に2つほど紹介させていただこうと思う。
 
 1つ目は、「きりん」さんの作品。きりんさんはホームページのプロフィールによると広島に御在住のアマチュア作曲家で、サイト「あかしあの木」で作品を聴いたり楽譜をダウンロードしたりすることができる。優しい作品が多くて、ほのぼのとする。オカリナのために作られた作品も多い。
 私がとりわけ好きなのが「きりんのオカリナレパートリー vol.1」に収載されている最後の曲「あしたはみんなに会えるから」。タイトルから小さなこどもさんに親御さんが言って聞かせているような雰囲気がうかがわれる(というのは私の勝手な想像なので脇に置いておいてください)、あたたかい感じの曲で、1日の終わりに吹くと大人でもちょっと元気になれる。けっこうたびたび吹かせていただいて楽しんでいる。また、最新作の「駄菓子屋」もおだやかでしあわせな曲。
 日本でオカリナというと、東洋的というか「和」を軸にした雰囲気や、逆に軽めの曲調で明るく楽しむ雰囲気が主になっている気がするけれど、オカリナにはこういうふだんの暮らしの感覚に近い音楽もなかなか合っているように思う。
 あかしあの木 ←「楽譜・オカリナ」にオカリナ作品があります
 
 2つ目は、「P. GIRO」さんの作品。P. GIROさんはホームページによると小学校の先生とのことで、「音楽教育素材」として御自身で作曲された作品を多数公開しておられ、美しい、雰囲気のある作品が並んでいる。そのなかにオカリナのために(オカリナを吹くこどもたちのために)作られた作品がある。
 私は「夕暮れ」という作品が特に好きで、この曲を試聴で聴くと、こどもの頃に見たNHK教育テレビの学校教育向け番組の雰囲気を思い出す。センスのある筆遣いで、こどもたちの見ている夕暮れ景色があざやかに描き出されている。ピアノ伴奏とのセットになっている楽曲で、掛け合いの箇所があるので伴奏が必須だが(また移調しないのであればオカリナはF管がよいのだが)、チャンスがあればどこかで演奏してみたいと思わせられる、すてきな作品。(いま現在)トップページのBGMになっているのもオカリナ作品で、オカリナへの愛が感じられる。
 私はオカリナをこどもの頃に吹き始めたので、オカリナとこども時代が結びついている。そういうことをあらためて思い出させてもらえる音楽があることがうれしい。
 P.GIROの音楽村から(音楽教育素材)−音楽劇・リコーダー・鍵盤ハーモニカ・オカリナ・和太鼓・合唱・合奏・管楽器・金管バンド・ピアノ 他 
↑「作品素材」のページからオカリナ作品のページに行くことができます
 
 オカリナのための作品を作っておられる方は、やはりオカリナという楽器がお好きでそれでオカリナのために作っておられるという御様子がうかがわれ、作品に触れるとそのオカリナへの愛を作品を通して受け取っているような感じがする。そのオカリナ愛をおすそわけすべく、今回はたいへん僭越ながら勝手に作品を紹介させていただいた。失礼がありましたらお許しください。
 私もオカリナのための作品を作って持っているのだけれど、それはまたいずれ公開することにして、これからもオカリナのための作品を探して、気に入ったものに出会ったら御紹介したいと思う。
 

 

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