遠い遠い夢の世界... > ファルタイン・ヴァーレン(Fartein Valen)の音楽をめぐって
 

ファルタイン・ヴァーレン(Fartein Valen)の音楽をめぐって


 このコーナーでは、ノルウェーの作曲家ファルタイン・ヴァーレン(Fartein Valen: 1887-1952)の音楽をめぐって、これまでにこのサイトの自由帳などに書いたものを集めて載せていきます。
 ファルタイン・ヴァーレン(ファーストネームはカタカナでは「ファルテイン」「ファッテイン」等と表記されることも多いです。またファミリーネームはむかしの文献だと「ヴァレン」と書かれていることがあります)は、19世紀後半のいわゆる後期ロマン主義、20世紀前半の表現主義や12音技法の音楽の影響を受けながら、いわゆる無調の音楽を独自に追究し作り上げていった、ノルウェーのモダニズム時代の代表的な作曲家です。現代でもノルウェー本国を中心に作品が演奏されているようですが、同時代の12音技法・無調の作曲家であるシェーンベルク、ヴェーベルン、ベルクら、ビッグネームの作曲家にくらべると知名度がかなり低いようで、演奏も録音音源はCDやネットで入手できるものの、生で演奏される機会はとても少ないようです。
 私はヴァーレンの音楽を、グリーグなどノルウェーの音楽に関心を持ち始めた若い頃に知りました。当初は難解というか、まったくぴんと来なかったのですが、何度か作品に接しているうちになじんできました。その後、自分が調性音楽を作れなくなった時期に、独自に音楽を追究したヴァーレンの音楽が自分の心の支えになりました。そういった経緯で、ヴァーレンの作品を自分でもピアノで演奏し、また楽譜を読んだりして、断続的ですがヴァーレンの音楽に触れ続けています。
 ここに載せているのは自分の、ヴァーレンの音楽とのつきあいについて書いた話が主になります。ヴァーレンの音楽をどう自分が受け止め、読み、聴き、演奏しているか、そういう個人的な話が中心です。ただ、解説めいた話を長く書いたこともあり、それも載せています。ヴァーレンに関する日本語資料がかなり少ない現状、御関心をお持ちの方にいくらかお役に立てることもあれば…と、ほんのり願っています。
 新しい記事のほうが上に来ます。古い記事にある情報は現在変更されている可能性もありますのでご注意ください。自由帳の記事はヴァーレンに関する以外の話を削って転載しています。


自由帳 2018年3月14日 ファルタイン・ヴァーレン関連のネット動画・資料
 
 ノルウェーの作曲家ファルタイン・ヴァーレン Fartein Valen (1887--1952) ※ のことをこの自由帳でたまに書いていますが、いつも少し書くだけで、まとまったことを書いたことがまだありません。きょうはいつもより長めにヴァーレンのことを書きたいと思います。
 
※ ヴァーレンのファーストネームFarteinの日本語表記は「ファルテイン」「ファッテイン」などがあります。どういう表記がよいか迷うのですが、自分の聞こえ方で言うと、einの部分は「エイン」よりは「アイン」と聞こえます。またノルウェー語のrtはちょっと独特な発音で、「詰まったt」のように発音されることが多いと思うのですが、地方によってはrがはっきり発音されるようで、下のいろいろな動画では「ファルタイン」と「ファッタイン」の中間、私にはやや「ファルタイン」寄りに聞こえます。「ファッタイン」の表記はrを思わせる部分がまったく無く、くだけすぎな表記に思えるので、自分のところではひとまず「ファルタイン」と表記することにします。ファミリーネームのValenは「ヴァーレン」と聞こえます。むかしの日本語資料では「ヴァレン」と表記してあることもあります。
 
 しばらく前からヴァーレンのピアノ曲「Intermezzo(間奏曲)op.36」を練習していたのですが、最近、ヴァーレンの作品の自筆譜(完成原稿・スケッチなど)がウェブで公開されていることに気付き、以前から関心があったピアノのための「2つの前奏曲op.29」やヴァイオリン協奏曲など、いろいろな譜面を読んでいます。
 
Fartein Valens verker - Norsk musikkarv
(ファルタイン・ヴァーレンの作品 ノルウェー音楽遺産)
http://www.musikkarven.no/komponister/valen/verker/
(作品名表記は原語(主にノルウェー語)、項目記述は英語)

 このサイトはノルウェーの音楽に関する資料集成プロジェクトのサイトで、ここから各種資料の情報を知ることができ、ウェブで公開されている資料はその掲載ページに飛ぶことができます。ヴァーレンの自筆譜は所蔵先であるノルウェーの国立図書館のサイトに飛んでそこで読めるようになっています。リンクにはNBDigitalと書いてあります。
 なお、ヴァーレンの他にも、グリーグやスヴェンセンなどいろいろな作曲家・音楽家のコーナーがありますが、作品自筆譜が読めるのは現在のところヴァーレンだけのようです。なおグリーグの自筆譜は以前ご紹介したベルゲン公共図書館グリーグコレクションからたどって読むことができます。

 ヴァーレンの作品の楽譜はノルウェーの出版社Lyche(他の音楽出版社と合併?して全体的にMusikkforlageneという呼称になっているようです)からいまもある程度の数が刊行されていますが、たとえばop.29のうち第2曲はウェブカタログになく、自筆譜公開がありがたいです。
 ただ、ヴァイオリン協奏曲ではカデンツァが自筆譜上に書かれていない(同曲の諸々の録音では同じカデンツァが演奏されていますので、おそらく出版譜校正の段階でヴァーレンがカデンツァを書き加えたのだろうと思います※)など、自筆譜に書かれている内容が必ずしも「最終版」というわけではないと考えられるので、自筆譜に頼り切るわけにもいかなさそうです。使っていく上では刊行譜とあわせて参考にしていくのがベストではあるかと思います。
 
※ ヴァイオリン協奏曲のカデンツァですが、この記事を書き上げた後、この下に書いているヴァーレンの作曲ノート(テーマ編)を読んでいてたまたまそのカデンツァ(の原型らしき音型)が書いてあるのを見つけました。日付が1945年8月1日となっていて、ヴァイオリン協奏曲本体の自筆譜日付1940年6月16日よりもだいぶ後です。初版はカデンツァの日付よりさらに後だと思われるので、たぶんヴァーレンは初版の原稿として本体原稿とカデンツァの原稿をそれぞれ出版社に送ったのではないかと思います。

 このヴァーレンの自筆譜公開サイトでは、各作品のスケッチ(というか制作帳のようなもの)と、ヴァーレンが書き続けていた習作・練習ノートも見ることができます。これらがとても興味深いです。どちらもノートに1日1日少しずつ書かれていて、ヴァーレンがどのように作曲に取り組んでいたのかが譜面(画面)から伝わってくるようです。
 ヴァーレンの音楽は12音技法的な無調だと以前書いたのですが(初期の作品は後期ロマン派的というか調性を拡大した表現主義的な音楽という感じですが、習作を続けながら意図的にスタイルを切り替えていったようです)、作品のスケッチを読んでみると、曲の冒頭から順に、音をいろいろ変えて試しながら少しずつ曲を形作っている様子があり、いっぽうでいわゆる「音列」を生のままメモしたり曲の構造をラフに書いたりということが(私がこれまで読んだ範囲では)ほとんど見られません。音列を固定してそれを操作して作品を構成するというスタンスではないように見えます。むしろ、12音を意識しながらも音列というよりはテーマや動機に基づいて少しずつ楽想を展開していったという印象が強いです。12音技法の始祖と目されているアルノルト・シェーンベルクのように「音列」に複雑な操作(聴くだけではわからない、楽譜を読んで分析・解読しないとわからないような)を加えて楽想を作ったような形跡は私には見えません(見えていないだけかもしれません)。実際、テーマや動機がどのように使われているのか、聴いていても比較的わかりやすいです(オーケストラ作品などでは複雑な聞き取りづらい構造になりますが、それでもシェーンベルクのピアノ曲などよりははるかに「聴いてわかりやすい」です)。

 そういうことから言えば、ヴァーレンを12音技法の作曲家と表現するよりは、12音技法を参考にしつつも独自に無調語法を追求した作曲家、と捉えるほうがまちがいがないのではないかと思います。ヴァーレンの語法は習作群によって培われてきたものだと考えられ、実際に習作群の分析を試みている研究論文もあったりします。しかしその語法を「理解」するためには作品やスケッチ・習作ノートを相当に読み込んで綿密な分析を施す必要がありそうです(コンピュータを使用する必要があるかもしれません)。またヴァーレンの作風の変化を初期・中期(不協和対位法の時期)・後期(自由な12音技法の時期)と分ける考え方があるようで、作品ごと・時期ごとに丁寧に分析することが必要なのかもしれません。
 ただ、それよりも先に、やはり作品に親しんで、ヴァーレンの音楽そのものを受け取ることで自分の中に培われてくる洞察を大事にするほうが、少なくとも自分の人生にはよさそうな気がしています。分析はおいおいやっていきたいと思っています。

 この機会に、これまでに見つけたヴァーレンに関する動画を紹介したいと思います。演奏動画もいろいろとありますが、ノルウェーで制作されたテレビの特集番組がいくつかあり、これらがまたとても興味深いので、ここではそうした番組の動画を紹介します。言語がノルウェー語なので私には内容があまりわかりませんが(なんとか3パーセントくらいは聞き取れる感じです)、画面やほかの資料からの知識とあわせて見ているといくらかわかった気になります。

Fartein Valen - komponisten og mennesket
(NRKノルウェー放送協会 1962)
https://tv.nrk.no/program/fola62001762/fartein-valen-komponisten-og-mennesket
「ファルタイン・ヴァーレン 作曲家、そして人間」
 ヴァーレンの没後10年に放送された番組のようです。ヴァーレンは50歳のころにオスロでの生活を引き上げてノルウェー西海岸の小村ヴァーレヴォーグ Valevåg にある彼の父母が建てた家に住むようになりますが(それ以前にもオスロとヴァーレヴォーグを行き来していた時期があったということですが)、そのヴァーレンの家でヴァーレンの生前によろずの世話をしておられたヴァーレンのお姉さんにインタビューをしています(ヴァーレンは生涯独身でした)。たぶんとても貴重なお話しをされていると思うのですが、いまのところ私にはあまり聞き取れず、もっとノルウェー語をたくさん聴いて勉強しないといけないなと思っています。
 現在ヴァーレンのピアノ作品楽譜の校訂版が数点出ていますが、その校訂者のピアニスト、ハンナ・マリー・ヴァイダール Hanna=Marie Weydahl が出演してヴァーレンのピアノ曲数点を演奏しています。また、オルガン作品「パストラーレ」がフル演奏されています。ヴァーレンのオルガン作品はオーケストラ曲やピアノ曲にくらべて聴ける機会(録音)が少なく(というかこれまで聴いたことがありませんでした)、この点でもとても貴重だと思います。
 
Min tid kommer nok
(NRK 1987)
https://tv.nrk.no/program/FMUS00004687/min-tid-kommer-nok
「私の時代はこれから来る」
 こちらはヴァーレンの生誕100年の番組です。レコードレーベルBISにヴァーレンのピアノ作品全集録音をしているロベルト・リーフリング Robert Riefling が案内役で出演し、ヴァーレンが留学したベルリン、初期の仕事(大学図書館の音楽アーカイブに勤務していました)をしていたオスロ、旅先のローマやマジョルカ島、そしてヴァーレヴォーグなどのロケを交えて、ヴァーレンの人生と音楽を紹介しています。
 番組の最後で、リーフリングがヴァーレンの「間奏曲」をフルで演奏しています。リーフリングが曲の難所をどうこなしているかなども映っていて、その意味でも参考になります。なおリーフリングがヴァーレン作品の演奏にあたって運指などを研究して刊行譜に自分用に書き込んだものが、ヴァーレンの自筆譜アーカイブに含まれていて、これもとても参考になります。
 Min tid kommer nok はヴァーレンが言った言葉とのことです。オスロでオーケストラ伴奏歌曲「アヴェ・マリア」が初演された際に批評家たちからバッシングを受けるのですが、その際にヴァーレンがただ一言そう言った…みたいないきさつが聞きとれます(でもほんとうかどうか保証できかねます)。

Fartein Valen - Norwegian composer
(2010)
https://vimeo.com/171611121
 こちらは2010年放送の新しい番組です。NRK公式サイトには動画が現在なく(以前は視聴不可ながらページはあったと思うのですが)、番組自体が外部制作だったようでスタッフの方の個人アカウントでアップロードされているようです。ドラマとインタビューで構成されていて、上の1987年番組で取り上げられた同じ場所が出てきたりします。
 ドラマ部分でヴァーレンを演じている俳優さんがピアノを弾く場面があり、ほんとうに弾いていてしかもとてもうまいので、どういう人だろうと思っていたのですが、番組最後のクレジットを読んで、ノルウェーのピアニスト、シグール・スロッテブレック Sigurd Slåttebrekk だと知りました。スロッテブレックは先だって、グリーグに「なりきって」グリーグ作品を演奏するプロジェクトに取り組んだピアニストで(この自由帳にも書いたことがあります)、この番組のときにはヴァーレンになりきっていたというのが、たまたまなのか関係があったのかわかりませんが、おもしろいです。スロッテブレックはヴァーレンが生まれた町スタヴァンゲルの出身で、ファルタイン・ヴァーレンフェスティバルのサイトにある本人のコメントによると、こどもの頃から家庭内でヴァーレンのピアノ曲を聴いていたということで、容貌等あわせて適任だったのかもしれません。

 これらの動画に映っている、ヴァーレンの住んでいた土地ヴァーレヴォーグは、上に書いたようにノルウェーの西海岸に位置しますが、小高い山と海岸との間のうねるような丘陵がおりなす、見るからに大自然の中という感じの場所で、周辺に民家がほとんど見えません(グーグルマップで見ると一帯は小さな集落になっています。ちなみにストリートビューはありません)。ヴァーレンはここをあまり出ること無く、第二次大戦のあいだもここで静かに作曲を続けていたそうです。
 ヴァーレンの家は上の番組動画などいろいろな動画で外や中の様子が映っています。ヴァーレンの家の仕事部屋は、大きな窓に書き物机が向けられ、その右手に書架、左手にアップライトピアノが置かれ、むかしの動画では机の上にたくさんのサボテンが並べられています。壁にはヴァーレンのインスピレーションのもととなったさまざまな絵に混じって、ヴァーレンの肖像画、そして(おそらくヴァーレンが飼っていた)猫の絵がかかっています。グリーグの家やシベリウスの家の雰囲気に通じる、おだやかな家に見えます。
 ヴァーレンの音楽はときどき「静謐」という表現がなされるのを見聞します。たしかに静かに穏やかに音楽が推移していく時間が多いのですが、オーケストラ曲でもピアノ曲でもときおりとても激しい表現があり、初期のころの後期ロマン派的あるいは表現主義的な傾向が別のかたち・しかたで生きているようにも思います。また、協和ではなく不協和を原理とした対位法を構想・実践していたとのことで、調性音楽ではほぼ聞かれない厳しい響きが各所でします。それでも音の響きはやはり清澄と言う言葉がよく合うように思います。その清澄さはどこからきたのかと思うと、それは突き止める意味がなさそうな問いではありますが、やはりヴァーレヴォーグの景色、ヴァーレンの住処の雰囲気がとてもよく合っているようにも思います。

 せっかくだからと思っていろいろネット上のリソースを取り上げてみましたが、かんじんのヴァーレンの個々の作品について、これまでまだあまり立ち入ったことを書いていません。いずれ、間奏曲やヴァイオリン協奏曲など、自分が以前から聴いていくらか親しんできた作品について、何か少し書いてみたいと思います。
 
***
 
【修正】2018年5月2日 ピアニスト Hanna=Marie Weydahl さんの発音表記を「ハンナ・マリー・ヴァイダール」に変更しました。
 
***
 

自由帳 2018年1月24日 近況 より
 
 今年2018年は明治維新から150年ということだそうですが(歴史にとても疎いです)、この自由帳でときどき書いているノルウェーの作曲家ハルフダン・シェルルフ(ヒェルルフとも聞こえますが発音についてはそのうち書くつもりです)の没後150年にあたります。このごろは作曲家の生誕何年没後何年ということにあまり振り回されないで自分のペースで音楽をやっていくことを好んでいますが、シェルルフは2015年に生誕200年を迎えたばかりで、その年にシェルルフの作品を演奏させてもいただきました。記念年が近接して続くのもひとつの機縁だろうと思い、今年も意識してシェルルフの作品を弾きたいと思っています。シェルルフについては上の発音のことも含めてそのうちまた書くつもりです。
 
 また、同じくノルウェーの作曲家ファルテイン・ヴァーレン(動画などではファルタインと聞こえます)の作品を読んで練習しています。ヴァーレンについては自筆譜や書簡などの資料が公開されるようになっていて、(私には)謎だったヴァーレンの作品の形成過程や「思考法」のようなものもたどることができそうに思っています。今年はヴァーレンの作品についても何か書こうと考えています。
 

 
***
 

自由帳 2017年12月7日 近況 より
 
 ラヴェル『クープランの墓』トッカータの練習も続けていますが、最近はノルウェーの作曲家ファルテイン・ヴァーレンの前奏曲op.29-1に手をかけています。以前も書いたような覚えがありますがヴァーレンは12音技法に近い無調語法の作品を作っていて、独特の透明感ある響きが印象的です。ピアノ曲ではいろいろな曲調を試してみたかのようなバラエティがあり、ちょっと取り付きにくい作品もありますが、op.29の前奏曲(2曲)は性格がはっきりしていて取り組み甲斐がある感じがしています。またそのうちゆっくり書きます。
 

 
***
 

自由帳 2014年8月4日 オカリナ・ノート追加 ほか より
 
 ピアノではヴァーレンの間奏曲を再度弾いています。曲中に鳥の鳴き声を思わせる動機や、それに対して人が歌うような動きをする動機があり、何度か弾いているととても落ち着きます。
 いっぽう、シベリウスのソナチネは細かいところでちょっと感覚が合わなくなってきました。自分のこのところの気持ちのあり方と関わっているのかもしれないですが、少し寝かせようと思っています。
 
***
 

自由帳 2014年4月17日 このごろ より
 
 このごろ、シベリウスのソナチネop.67が好きになって、聴き弾きしている。舘野泉さんのCDを持っていてこれまでもときどき聴いていたのだけれど、最近まであまりぴんとこなかった。なぜか急にいいなと思うようになり、繰り返し聴くようになり、先日は(出費を極力セーブしているなか)グレン・グールドが演奏しているCDを買った。何がいいというのが言えないけれど、感じだけで言うといまの季節の花のような感じがしている。弾くほうは第1番を少しずつ練習中で、いつものように曲に触れているだけで十分楽しんでいる。
 ヴァーレンの間奏曲も練習中で、こちらはようやくいくらか形が見えてきた。小さなモティーフ(それぞれに固有の意味がある様子)が密に組み合って音楽が成り立っていて、モティーフと「音楽」との相互関係を確かめながら取り組んでいる。
 
***
 

自由帳 2014年3月25日 瀧廉太郎のピアノ作品刊行 ほか より
 
 ヴァーレンの間奏曲op.36を練習し始めました。ヴァーレンやこの作品に関してはまた時間をとっておいおい書いてみます。
 
***
 

自由帳 2013年9月2日 このごろのこと より
 
 つかのまですが音楽のことなどに振り向ける時間ができ、グリーグの「夏の夕べ」を練習したりヴァーレンのピアノ曲を聴いたりしました。「夏の夕べ」は私は薬指が弱くてまだ旋律線がきれいに弾けませんが、それも含めて、練習していてひととき幸せになれます。ヴァーレンの作品はときどき思い出したように聴きますが、手元に「間奏曲 Intermezzo op.36」の楽譜(国際楽譜ライブラリープロジェクト IMSLPからプリントアウトしたもの)を置いていて、前回思い出して聴いていたときには楽譜の解読をしながら聴いていました。この曲についてはいつかちょっと書きたいなと思っています。
 

自由帳 2009年11月22日 瀧廉太郎記念年に より
 
だいぶ前に、ノルウェーの作曲家ヴァーレンの「ピアノのための変奏曲op.23」の楽譜を一度見てみたい、という話を書いたのですが、最近になって、楽譜がウェブで入手できるということを知りました…。
なんでも、版権が切れている作品(や、著作権者から無償提供されている作品)の楽譜を閲覧・ダウンロードできるということで、日本の「青空文庫」みたいなもののようです。
それで、前々から楽譜を見たいと思っていた、カール・ニルセン(ニールセン)の「シャコンヌop.32」、ブクステフーデの「コラールの旋律に基づくファンタジー:暁の星のいと麗しきかなBuxWV223」とあわせて、ダウンロードしました。
またいずれ書きたいと思います。
 
***

自由帳 2009年3月24日 近況 より
 
*
BISから出ているヴァーレンの管弦楽作品集(第3集)をCD店の店頭で見つけて、びっくりして買いました。
交響曲第4番やピアノ協奏曲など、晩年の作品が収録されています。
さっそく聞いてみると、以前エアチェックした交響曲第4番や別のCDを持っているピアノ協奏曲の演奏とはまた別のスタイルで取り組んでいる、モダンさを感じさせる演奏でした。興味深いです。
ライナーノーツを読むと、自筆のドラフトをもとにスコアを再編集してあるようです。ヴァーレンの作品は一度スコアを見てみたいと思うのですが…、どうやったら見られるのか見当つきません。
 

自由帳 2007年4月25日 Jeg gaar i tusind tanker より
 
...
それから、グリーグ・イヤー記念で、レイフ・オーヴェ・アンスネスが日本公演でグリーグのバラードを演奏したという話をネットで読みました。
ノルウェーの作曲家の変奏曲型ピアノ作品では、グリーグのバラード、ハーラル・セーヴェルーの『バードコール変奏曲』、そしてファルテイン・ヴァーレンの変奏曲を知っていますが、どれも良い作品だと思います。
このうちヴァーレンの変奏曲をアンスネスはEMIに録音していて、この演奏がなかなかすばらしいです。
アンスネスはヴァージンのデビュー盤でニールセンのシャコンヌも録音していますが、こういった変奏曲型の作品によく取り組んでいるようですね。
セーヴェルーやヴァーレンについてもいつかゆっくりと書いてみたいです。
 

 


遠い遠い夢の世界... トップページ

さんちろく